マンホール蓋の安全性と有効性を確認する技術検証 -技術マニュアル-

2024年6月に発刊された「アセットマネジメントの実践に向けた次世代型マンホール蓋の技術マニュアル」に求められる安全性能を次世代型グラウンドマンホールSVが実現できているか、マニュアルで規定された方法にて試験を実施し確認しています。

耐がたつき性能

輪荷重走行試験機にマンホール蓋を取り付け、マンホール蓋の上を25t車が繰り返し走行している状況を再現した輪荷重100kNを繰り返し載荷します。次世代型グラウンドマンホールSVは、限界状態でもがたつき音が発生せず、かつ変位量が急激に変化しないことを確認しました。

耐荷重性能

初期状態において、荷重試験機に載せたマンホール蓋に鉛直方向に荷重を加える残留たわみ試験により、載荷時のたわみ、および荷重を取り去ったときの残留たわみを測定します。
また、初期状態および限界状態において、発生応力度試験によりマンホール蓋に鉛直方向に載荷した状態での発生応力を計測します。ただし、限界性能については、初期性能の試験結果とFEM解析結果の関係からFEM解析の信頼性を確認した上でFEM解析結果を持って規定値を満足していることを判断することも可能です。
次世代型グラウンドマンホールSVでは、荷重たわみ、発生応力度試験により初期性能が基準値を満足しています。また、限界性能は限界状態のモデルでFEM解析を実施し、限界性能の実測値が規格値を満足すると判断されています。

耐スリップ性能

ASTM(米国材料試験協会)及び舗装性能評価法に準じたDFテスターR85により、滑り抵抗値を測定します。 次世代型グラウンドマンホールSVは限界状態を想定した模様高さ6mm摩耗時においても、濡れたアスファルトと同様のすべり抵抗値0.45以上を満足しています。

圧力解放性能

初期性能においては、道路に設置された条件を再現した荷重を加えた蓋枠を浮上試験機に固定して送水し、空気圧縮による蓋の圧力解放を生じさせ、その時の圧力が0.1MPa以下であることを確認します。
また、限界状態においては、輪荷重試験機で100kNを繰り返し載荷したマンホール蓋を裏から打ち抜き、その時の力が内圧0.1MPa相当以下であることを確認します。
次世代型グラウンドマンホールSVは、初期状態と限界状態いずれにおいても規定値の0.1MPa以下で圧力を解放しています。

防食性能

マンホール蓋と同等の塗装を施した供試体を腐食環境分類のうちⅢ類の環境下を再現したpH1の硫酸水溶液中に72日間(30年相当)浸漬後、中性水溶液に14日間浸漬し、目視による赤さびを確認します。一般的な塗装を施した蓋では赤さびが発生しますが、次世代型グラウンドマンホールSVは、赤さびが発生していません。
また、蓋の開閉操作時にちょう番に生じる負荷で傷がついた場合を想定して傷を付けた供試体をpH3硫酸水溶液に72日間浸漬しても、一般塗装と比較した際に溶出する鉄イオン量が1/2以下となっています。